赤字会社に税務調査は来ないか

 

利益がマイナスの会社。いわゆる赤字会社では,税務調査をしても黒字にならなければ税金は取られないため,税務調査は行われないとの認識をしている方は注意が必要です。
なぜなら,赤字の企業についても税務調査が行われる場合があるからです。
このとき,赤字の企業に対して少々不遜な会計処理があったとしても,欠損金と相殺されて,課税されないため意味が無いのではないかとの疑問を持つ方もいるかもしれません。
確かに,多少の誤った取引を修正したところで,赤字のままだったら,課税はされません。
しかし,費用にしてはならないものを費用として計上していた場合には,役員報酬として計算されてしまう可能性があります。
もし,役員報酬として処理されてしまった場合には,莫大な源泉所得税が課されます。
また,そのことだけでなく,他の費用についても正しい会計処理がなされているかについて,疑問を持たれ,更なる調査が入る可能性があるため注意が必要です。
このように,赤字企業だとしても税務調査が行われない可能性はゼロではありません。
そのため,企業業績に関わらず,日々の業務から正しい会計処理が行われるように企業努力を心がけて下さい。