トラック運転手に税務調査は来るだろうか

運送業には様々な業態があることを,ご存じの方もいると思います。
たとえば,トラックで運送する場合でも長距離もあれば近場のルート配送もあります。
近距離のルート配送では会社のトラックで回る場合が多いかも知れません。
でも長距離のトラック運送の場合は,トラックを従業員が購入して,個人事業主として運送するケースの方が多いと思われます。
むかし映画で,菅原文太主演の『トラック野郎』シリーズというのがありましたが,日本全国を走り回る素晴らしい仕事のように見えました。
あれも自分で借金をしてトラックを購入し,給料ではなくて売上代金をもらって生活しています。
こういうコンボイのトラック運転手に,税務調査が入るのだろうかと疑問に思う方といると思います。
ああいうトラック運転手は個人事業の自営業という形態ですが,売上は1つの会社からしか入ってこないと思います。
1つの会社からすべての指示を受け,それに基づいて北から南へ行き来している可能性があります。
そのため,売上はまったく私的操作の入り込む余地は全く無いと考えられます。そういう点では税務調査は入り難いと思います。
しかしながら生活費はトラックの中での生活におけるいろいろな出費です。運送雑費と称して何でも費用にしているかもしれません。
領収書を一つ一つチェックしたら,何が出てくるかわかりませんから,全部必要経費にしていると税務調査で指摘される可能性があるかもしれません。
税務調査では,予め確定申告の内容をチェックされているので,そこから得たヒントで重点的にチェックされます。
消耗品費が多ければ消耗品費を,雑費が多ければ雑費を,税務調査は効率よく進められます。
そのため費用については,正確に処理を行うことを心がけ,必要経費と家事費または家事関連費を分けて処理するようにして下さい。