強制調査

 

税務調査という言葉を聞いただけで、眉間に皺が寄る人がいます。
そして、「税務調査は怖い、税務署は怖い」と思いこんでいる人は多いようです。
そのようなイメージはいったいどこから来ているものなのでしょうか。
それは恐らく、ニュースで話題になっている、税務調査によって発覚した悪質な脱税者が検挙されている場面や、日本で話題になった映画「マルサの女」などによるイメージが無意識に植え付けられているからでしょう。
たしかに税務調査というと、脱税者に対して裁判所が捜査令状を発行し、国税局の調査査察部がその令状を持って事務所や店舗、自宅に上がり込み、デスクや引き出し、本棚のみならず天井裏や床下まで調べ上げる……そして税務調査官はまるで有名人のガードマンのような風貌で、しかも何人も一緒にやって来る……そんな想像をしてしまいがちなのもよくわかります。
しかし、このような調査は,誤魔化していると思われる税金が相当な多額の場合、そして相当悪質な脱税が認められる場合にのみおこなわれているもので,悪質な脱税容疑者に対して、強制的に証拠書類や物件を取り押さえる目的でおこなわれる調査なのです。
このような強制的な調査を、その名のとおり「強制調査」と呼びます。
そして、一般的な納税者に対しておこなわれる税務調査は、「任意調査」と呼ばれているものです。
普通の人が「マルサの女」のような税務調査を受けることは、ほぼありえませんので,過大に怖がる必要はありません。