任意調査は拒否できるのか

 

税務調査において、多くの納税者が受ける可能性がある調査は「任意調査」と呼ばれるものであり、有名な映画「マルサの女」などに見られるような、裁判所の令状を持って国税局の調査査察部が強制的におこなう「強制調査」ではない、という話を別の記事で書きました。
このような話をすると、「なんだ、税務調査は任意なのか。それなら税務調査の電話が来ても拒否しよう。」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
さて、この任意調査について疑問があると思います。
たとえば,任意調査という名がついているからには、拒否することはできるのでしょうか。
「任意」付いている以上,拒否することが出来るような印象を受けますが,結論から言いますと、それは出来ないようです。
任意調査と呼ばれてはいても、事実上は強制と変わりません。
ちなみに、このことを「間接強制」と呼びます。
このように,税務調査を拒否するとどうなるのかというと、罰則を受けることになってしまいます。
法人税法第162条において、はっきりと「一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する」と規定されています。
このように「任意」といえども、拒否してしまうと納税者の不利益となる「任意調査」ですが、間違えたくないのは、それでもやはり「強制調査」における「強制」とは意味合いはまったく異なるということです。
税務調査は受けなくてはいけませんが、任意調査においては納税者の権利が主張できるものだということを覚えておいて下さい。